冷笑モード

冷笑モード

ニュー淡路

199 回再生 ・ レビュー 1件

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曲紹介

クランチの効いたギターカッティングを軸に据えたファンク・ロック。 跳ねるリズムギターと歪んだトーンが絡み合う一方、メロディはマイナーキーで進行し、 J-ROCKの質感を保っている。疾走感をまといながら「逃げろ」と繰り返すサビが、 その場から抜け出そうとするエスケープの衝動を強く押し出していく。 歌詞は、ニュース・広告・マニュアルといった既製の「正しさ」が押し寄せる日常を描く。 群れに同調する生き方を退け、間違いや失敗を抱えたまま自分の足で立つ視点が一貫して 貫かれている。各サビの結びに置かれた「毒を飲み干して」「毒を吸い込んで」という フレーズは虚飾や偽善をあえて呑み込む姿勢を表し、ブリッジを経たラストサビで 「ゼロから始めよう」という再生のモチーフへと接続していく。

投稿: kazumae

レビュー

令和に蘇る、あの哺乳類たちの遺伝子

90年代のJ-ROCKシーンはV系の全盛期だった。LUNA SEA や GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、黒夢 など今では大御所となってしまったバンドたちが若い力をぶつけ合っていた。そんな中、いくつかV系の系譜から外れたロックバンドもいた。恐竜時代に生き延びる哺乳類のように、小さくともたしかにいた。 V系と一線を画していたバンドの代表格でいうなら、例えば THE YELLOW MONKEY や JUDY AND MARY、ミッシェル・ガン・エレファントなどだろうか。THE HIGH-LOWS やサザンオールスターズ などもいたが、当時を十代で過ごした自分としては割りと別枠というか、大人が聴く音楽というカテゴライズをしていた。若手ということに限ると、というところである。 イエモンやジュディマリはその後もチャートを賑わすほどの人気を博したわけだが、当然そこまで行けなかったバンドも多数いた。それらのバンドもしっかり実力があったにも関わらず、やはりV系全盛という時代に負けたような印象は拭えない。例えばL↔Rや、MOON CHILDなどもそうだ。 前段が長くなったが、本曲「冷笑モード」は MOON CHILD の系譜を継いで令和に昇華させたような曲だと思った(これが言いたかった!)。まず大きく惹きつけるのがリズムだ。バックで行き急ぐように刻まれるリズムとギターのカッティングが非常に印象的にアレンジされている。イントロのギターは ZI:KILL を思わせるような雰囲気もあるが、全体的にはやはりV系ではない、ロキノン系と言っていいだろう。 ちなみにこの系譜の正当な継承バンドは cinema staff なんじゃないかと個人的に思っている。異論は認める。 歌詞も諦めと投げやりを混ぜ合わせたような感情を巧みに表している。個人的にはAメロのメロディと歌詞が最もよくマッチして表現されていると思う。「逃げろ」というメッセージが、悲しくもなく、力強くもなく、ただただ内省の中から湧き出る言葉として吐き出されているように思わせるメロディが秀逸だ。若き日の斉藤和義の刹那的な世界観を感じるところもある。 ファンキーなロックとしての立ち位置として、ぜひ聴いておきたい一曲である。

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